高度人材ポイント制によって受けられる優遇措置
高度人材に認定された場合、優遇措置を受けることができます。高度専門職1号と高度専門職2号によって少し異なりますので、それぞれみていきましょう。
「高度専門職1号」の場合の優遇措置
複合的な在留活動の許容
通常の在留資格では、外国人の方は許可された1つの在留資格で認められている活動しかできません。
高度外国人材の場合では、たとえば大学で研究活動をしながら関連する事業を経営するなど、複数の在留資格にまたがるような活動を行うことができます。
在留期間「5年」の付与
高度外国人材には法律上最長の在留期間である「5年」が一律に付与されます。また、この期間は更新することが可能です。
在留歴に係る永住許可要件の緩和
永住許可を受けるためには、原則は10年以上続けて日本に在留していることが必要です。
しかし以下の高度外国人材は永住権許可を受けることができます。
- 高度外国人材として活動を3年間続けて行っている場合
- 高度外国人材の中でも特に高度と認められる方(ポイント80点以上の方)が高度外国人材としての活動を引き続き1年間行っている場合
永住許可要件の緩和の詳細はこちら
配偶者の就労
配偶者としての在留資格をもって在留する外国人が、在留資格「教育」「技術・人文知識・国際業務」等に該当する活動を行う場合には学歴や職歴などの一定の要件を満たし、これらの在留資格を取得する必要があります。
しかし、高度外国人材の配偶者の場合は、学歴や職歴などの要件を満たさなくても「教育」「技術・人文知識・国際業務」等に該当する活動を行うことができます。
一定の条件において親の帯同が許容される
現在、就労を目的とする在留資格で在留している外国人の親の帯同は認められていません。
しかし、以下のケースにおいて高度外国人材又はその配偶者の親(養親を含みます。)の入国・在留が認められます。
- 高度外国人材またはその配偶者の7歳未満の子(養子を含みます。)を養育する場合
- 高度外国人材の妊娠中の配偶者または妊娠中の高度外国人材本人の介助等を行う場合
さらにこのケースにあてはまる高度外国人材は以下の要件を満たす必要があります。
- 高度外国人材の世帯年収が800万円以上であること
※世帯収入=高度外国人材本人とその配偶者の年収を合算したものをいいます。
- 高度外国人材と同居すること
- 高度外国人材又はその配偶者のどちらかの親に限ること
一定の条件において家事使用人の帯同が許容される
外国人の家事使用人の雇用は、在留資格「経営・管理」「法律・会計業務」等で在留する一部の外国人に対してのみ認められています。
しかし、高度外国人材については以下の要件において外国人の家事使用人を帯同することが認められます。
➀ 外国で雇用していた家事使用人を引き続き雇用する場合の条件(入国帯同型)
- 高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上あること
- 帯同できる家事使用人は1名まで
- 家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
- 高度外国人材とともに日本へ入国する際、家事使用人が日本への入国前に1年以上高度外国人材に雇用されていた者であること
- 高度外国人材が先に日本に入国する場合、帯同する家事使用人が日本への入国前に1年以上は当該高度外国人材に雇用され、かつ当該高度外国人材が日本へ入国後、引き続き当該高度外国人材または当該高度外国人材が日本入国前に同居していた親族に雇用されている者であること
- 高度外国人材が本邦から出国する場合、ともに出国することが予定されていること
➁ ➀ 以外の家事使用人を雇用する場合(家庭事情型)
- 高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上あること
- 帯同できる家事使用人は1名まで
- 家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
- 家庭の事情(申請の時点において,13歳未満の子または病気等により日常の家事に従事することができない配偶者を有すること)が存在すること
入国・在留手続の優先処理
高度外国人材に対する入国・在留審査が優先的に早期処理が行われます。
入国事前審査にかかる申請は申請受理から10日以内を目途
在留審査にかかる申請については申請受理から5日以内を目途
「高度専門職2号」の場合の優遇措置
「高度専門職1号」で認められる活動のほか、その活動と併せて就労に関する在留資格で認められるほぼ全ての活動を行うことができます。
- 在留期間が「無期限」になります。
- 上記の「在留歴に係る永住許可要件の緩和」「配偶者の就労」「一定の条件において親の帯同が許容される」「一定の条件において家事使用人の帯同が許容される」の4つの優遇措置を受けられる
(参照:法務省 入国管理局)
高度人材ポイント制手続きの方法
高度人材は在留資格の1つなので、在留資格としての申請手続きが必要です。その他の在留資格と同様、新規での手続きと変更申請は異なるので注意しましょう。
詳しい手続きの流れはこちらから。(参照:法務省 入国管理局)
新規で在留資格を申請する場合
ステップ1:地方入国管理局の窓口にて申請
まずは、在留資格認定証明書交付申請を行います。
【必要書類】
・在留資格認定証明書交付申請
・ポイント計算表
・ポイントを立証する資料(詳しくはこちら)
ステップ2:入管による審査
上陸条件による適合審査を行い、高度人材に該当する人材かどうか判断されます。この時に、ポイントも計算されます。
ステップ3:在留認定証明書の交付
許可がおりると、在留認定証明書が発行され各申請者や申請を代理した機関の元へ届きます。
ステップ4:日本大使館にて査証(ビザ)申請
それを、申請者が居住する自国の日本大使館にて査証申請を行います。申請が完了すると、入国許可書の切手がパスポートに貼られるので、これで日本への入国が可能となります。
ステップ5:日本の空港または港にて上陸審査手続き
最後に、入国する空港または港にて在留認定証明書と査証が貼られたパスポートを提示して、在留カードが渡されます。