ビザを申請する上での必要書類

前回では「技人国」ビザの紹介と、申請における業務内容やスキル・学歴の重要性を述べましたが、今回は必要書類についてご紹介します!

1.技人国で申請できる条件とは(申請者)

この「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請するためには以下の基本的な条件を満たす必要があります。

①実務経験年数または学歴要件を満たしていること

申請者は、原則学歴は4年制の大学以上を卒業している必要があります。

ただし、実務経験10年以上を要する場合は専門学校や短期大学卒業でもビザ申請が許可される可能性は十分にあります。

②日本人と同等額以上の報酬額があること

企業が台湾人を受け入れる上で、学歴や職務経験に加えて採用企業で働く日本人従業員と同様の報酬と給与を支払う義務があります。

これは、労働基準法第3条で「使用者は労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱いをしてはならない」と定められており、守らなければ罰金の対象となります。

③継続した雇用が見込めること

正社員雇用に加えて、派遣社員や契約社員、業務委託契約の採用も技人国の申請が可能です。

継続した雇用が見込めるのかという点から見ると、正社員雇用よりも派遣や契約社員の採用はより申請許可のハードルは上がるでしょう。

2.ビザを取得できる要件とは(雇用主)

企業の規模が大きい

台湾人だけでなく企業側にも雇用する上で必要な条件を満たしていなければ、技術・人文知識・国際業務枠で採用することはできません。

▷企業カテゴリー1の定義

上場企業や、政府の様々な認定を受けている企業(参考

▷企業カテゴリー2の定義

「前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人

▷企業カテゴリー3の定義

「前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)

▷企業カテゴリー4の定義

カテゴリー1,2,3のいずれにも該当しない団体・個人

カテゴリーが及ぼす影響は主に3つです。

1つ目が提出資料の違い、2つ目は審査機関、3つ目が信用度合いです。

目安として、従業員数が200名以上の企業はカテゴリー2以上に該当するケースが多く、カテゴリーが1に近づけば近づくほど申請がおりやすい傾向があります。

しかしながら、従業員数が多くとも、アルバイト・パートの割合が高いと源泉徴収税額は少なくなり、反対に、従業員数が少なくても高所得者である正社員の割合が高いと、源泉徴収税額は多くなるため、あくまでも目安として従業員数をおいてみてください。

どうしてもわからない場合は、行政書士に相談してみるのもいいでしょう。

もちろん、企業規模が小さいからといって必ずしも技術・人文知識・国際業務のビザが下りないわけではありません。

中小企業が就労ビザを取得するためにより重要なポイントが、業務内容と申請者が持ち合わせるスキルや学歴の関連性です。

3.ビザ申請に必要な書類

必要書類は、企業カテゴリーごとに異なります。自社がどのカテゴリーに当てはまるのか正しく把握し、申請時は提出資料に抜け漏れがないようにしましょう。

全カテゴリー共通の必要書類

1.在留資格認定証明書交付申請書 1通

※地方入国管理官署において、用紙を用意しています。

また、法務省のホームページから取得することもできます。

2.写真(縦4cm×横3cm) 1葉

※申請前3か月以内に正面から撮影された無帽、無背景で鮮明なもの。

※写真の裏面に申請人の氏名を記載し、申請書の写真欄に貼付してください。

3.返信用封筒(定型封筒に宛先を明記の上、392円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通

4.上記カテゴリーのいずれかに該当することを証明する文書 適宜

 カテゴリー1:

四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)

主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)

 カテゴリー2・3:

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)

5.専門学校を卒業し、専門士又は高度専門士の称号を付与された者については、専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書 1通

カテゴリー1・2の企業が必要な資料

カテゴリー1及びカテゴリー2については、【共通】以外の資料は原則不要。

カテゴリー3の企業が必要な書類

【共通】に加えて、申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料

(1)労働契約を締結する場合

労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき、労働者に交付される労働条件を明示する文書 1通

(2)日本法人である会社の役員に就任する場合

役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録)の写し 1通

(3)外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合

(ア)地位(担当業務)、期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書 1通

(イ)申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書

(1)申請に係る技術又は知識を要する職務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書 1通

(2)学歴又は職歴等を証明する次のいずれかの文書

(ア) 大学等の卒業証明書又はこれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書。なお、DOEACC制度の資格保有者の場合は、DOEACC資格の認定証(レベル「A」、「B」又は「C」に限る。) 1通

(イ) 在職証明書等で、関連する業務に従事した期間を証明する文書(大学、高等専門学校、高等学校又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に係る科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。) 1通

(ウ) IT技術者については、法務大臣が特例告示をもって定める「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書 1通

※【共通】5の資料を提出している場合は不要

(エ) 外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合(大学を卒業した者が翻訳・通訳又は語学の指導に従事する場合を除く。)は、関連する業務について3年以上の実務経験を証明する文書 1通

8.登記事項証明書 1通

9.事業内容を明らかにする次のいずれかの資料

(1)勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書 1通

(2)その他の勤務先等の作成した上記(1)に準ずる文書 1通

10.直近の年度の決算文書の写し 1通

カテゴリー4の企業が必要な書類

【共通】、カテゴリー3で必要な資料に加えて、下記の資料が必要。

11.前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料

(1)源泉徴収の免除を受ける機関の場合

外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料1通

(2)上記(1)を除く機関の場合

ア 給与支払事務所等の開設届出書の写し 1通

イ 次のいずれかの資料

(ア)直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し) 1通

(イ)納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料 1通

入国管理局が定めるビザ申請処理にかかる時間は1~3ヵ月程度です。

カテゴリー1の企業であれば早くて1~2週間、カテゴリー2は2~4週間、カテゴリー3は1~3ヵ月が目安になります。

しかしながら、過去の申請状況や業務内容等によっては審査に時間がかかり、許可がおりるまで6ヵ月かかったケースもありますので、企業によって申請の処理期間はまちまちです。

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